あさの畑

プログラミングが好きな大学生のブログ。統計学や機械学習の勉強記録と、SIGNATE/Kaggle/AtCoderのお話。

いまの若者が『お金2.0』(佐藤航陽)から学ぶ3つのこと

佐藤航陽さんが書かれた、いま話題の『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』をようやく読みました!

 

「はじめに」で、

この本を書いた目的は、「お金や経済とは何なのか?」、その正体を多くの方に理解して欲しい、そして理解した上で使いこなし、目の前のお金の問題を解決して欲しいということです。

と書かれていますが、ほんとうに「お金や経済」について深く理解できました。

 

うすっぺらいビジネス書ではなく真の「教養」が身につく本だと感じました。学べることを3つにしぼって紹介します。

 

 

1.「経済システムのあり方」を知る(第1章)

正直、いきなり震えました。まだ第1章しか読んでいていないのに。

 

「第1章 お金の正体」では、主に、発展していく「経済システム」に必要な要素が非常にわかりやすく述べられています。(ここでの「経済システム」とは「生産活動をうまく回す仕組み」のことであり、企業やサービスのこと。)

 

この持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」にはどんな要素があるかを調べていった結果、5つほど共通点があることに気がつきました。

①インセンティブ、②リアルタイム、③不確実性、④ヒエラルキー、⑤コミュニケーション、の5つです。

と説明されています。

 

さらに、「経済システム」に持続性を与える要素として、

①経済システムの「寿命」を考慮しておく

②「共同幻想」が寿命を長くする

が挙げられています。

 

フェイスブックが若者のユーザー離れという「寿命」を考慮してインスタグラムを買収したこと、アップルの思想や美意識が寿命を伸ばしたことがそれぞれ例として述べられています。

 

この7つの視点から、ビットコインが伸びた理由や、組織、Webサービス、ゲームがいかに「経済システム」を作るか、といった具体的なところにまで言及されています。

 

ほんとうにわかりやすくて、もやもやしていたものすべてがクリアになったように感じました。

 

さらに興味深いことは、経済システム・脳・自然を関連付けて「すべては同じ構造をしている」と結論付けている点です。ここまで俯瞰して物事を見ることができるのかと驚いたと同時に感動しました。

 

経営者だけでなく、ビジネス(生産活動)に関わるすべての人が読むべき内容だと思います。

 

とおっしゃっていますが、これほど論理的にクリアに書かれたら興奮せずにはいられないです。

 

2.価値主義の世界を理解する(第3章)

消費経済と資産経済を考えることで「お金が余る」ってのが理解できました。

今までは「お金が余る」って言われても「どういうこと?」って思っていましたが、やっとすっきり。これが「資本主義→価値主義」といった流れの発端だったわけですね。

 

価値主義とは、

今後は、可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できます。

と書かれているように、価値を保存・交換・測定する手段がお金である必要がなくなった世界のこと。

 

価値が多様化し、それを測る手段も多様化していることと、価値の転換が可能になってきたことが価値主義を推し進めています。

そう考えるとクラウドファンディングってすごい。人脈や行動力といった価値をお金に変換することができるんですから。まさに価値の転換を可能にした画期的な仕組み。

 

そして、価値の分類として

 ①有用性としての価値

 ②内面的な価値

 ③社会的な価値

があるとされています。

 

価値を区別して考えることって大切だなと思いました。

疲れてるときに「おもしろい動画」を見たって、役には立たなくて有用性ととしての価値はないけど、興奮したり癒されたりしたら内面的な価値があると言える。

価値を提供する側も享受する側もどちらもが区別して理解しておく必要があるなと思いました。

 

あと、妙に納得したのが、

誕生日プレゼントやお土産も、実用性としての価値が重要なのではなく、気にかけてくれているという好意そのものが価値であることとよく似ています。

という部分。

僕は今まで、「実用性としての価値」を考えすぎてしんどくなってることもあったので、気持ちが楽になりました(笑)

 

さらに、評価経済に対する違和感も言語化できました(詳しくは本を読んでください)。

 

でも、評価や信用を集めるには時間がかかるし、それらが雪だるま式に増殖する以上、今すでに評価や信用がある人はどんどんそれらを増やしていって、何もない人はどうしようもない(注目や関心を引いたり何かを犠牲にしたりするしかない)のかなとも思います。

 

だから、局所的な「評価経済」が出来上がってしまえばなかなか流動性は生まれないように感じます。

 

ただ、これはもっと多様化して選択肢が増えていったら解決しますね。乗り遅れたら他を探せばいいし、失敗しても他に選択肢がある。

 

そう思うと生きるのが楽になります。うれしいかぎり…。

 

3.これからの生き方を学ぶ(第4章)

本文では、若者の生き方について、

金銭的なリターンを第一に考えるほど儲からなくなり、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになります。

と言われています。

 

だから、

  • 内面的な価値に着目すること
  • 利益は目的ではなく結果だと考えること

が今後大事になってきます。

 

 

確かに、「役に立つ」以外の価値が「見える化」したことはとても良いことですよね。僕もフッと心が軽くなったように感じました。

 

しかしだからこそ、価値のないものはどんどん淘汰されていくのではないか。

 

「自分の情熱」をいかに見つけるか、そしてその「情熱」に全てをかけることができるか、が大事になってくる。「情熱」に気づかないまま終わっていく人もいるのかなと思いました。それを防ぐために、好きなことをとにかくやりまくることが大切なんですね。

 

 

「第5章 加速する人類の進化」もとてもおもしろくて、読んでいると心が躍ります。いつ実現するのかはわからないですが、ここで描かれている世界が実現すれば、何歳であってもとことん楽しみたい!

 

 

いや、もう、この本やばいです。

ほんとに、しびれます。

 

「お金」や「経済」についてというより「時代の流れ」そのものを学べる。

 

もっとはやく読んでおけば良かったです!新しい経済での生き方を学ぶ。そのために読んでみてはいかがでしょうか。